元気に暮らす 日本の知恵  ~冬の飲み物編~

 

私は管理栄養士という職業柄、『寒い日を快適に過ごすための知恵』についていろいろとご質問頂くことがあります。

冬に飲むあたたかい『飲み物』もそんな知恵のひとつ。
日本には昔から、栄養学的に見ても「なるほどねぇ」と思う飲み物がたくさんあるのです。

こんな時期だからこそ、は寒い日をあたたかく過ごすための『飲み物』についてご紹介します。
 

寒い日を快適に過ごす 日本の知恵

 
   
 
まず最初にご紹介する飲み物は「陳皮(ちんぴ)茶」です。

「陳皮(ちんぴ)」とはミカンの皮を1週間以上陰干ししてカラカラにしたもの。
漢方薬としても使用されています。

昔の人は冬になると「陳皮(ちんぴ)」を急須に入れ、そこにたっぷりのお湯を注いだものを、お茶のようにして飲んでいたんですね。
まぁ、簡単に言うと、ミカン茶です。

では、この『ミカン茶』で本当に冬を快適に過ごせるのでしょうか?

過ごせるんです♪

なぜなら、「陳皮(ちんぴ)」にはビタミンAとビタミンCが含まれています。

そしてビタミンAは、粘膜を強化してくれます。

粘膜というと、鼻やノドが代表的です。
鼻やノドの粘膜が強くなると、風邪などのウィルスにやられにくくなる。

そしてもうひとつのビタミンCは、免疫力を強化してくれます。
免疫力があがれば、当然、ウィルスにもかかりにくくなる。

つまり、ミカン茶は「ビタミンA&Cがたっぷり入ったドリンク剤」のようなものなんですね。

どうです?
なんだか、効いてきそうでしょ^^

とはいえ、最近のミカンにはワックスや農薬がかかっているため、陳皮は家庭で作れるものではなくなってきました。

なかなかお目にかかることもなくなってしまった「陳皮」ですが、機会があればラッキー♪
ぜひ、「陳皮茶」を試してみて頂きたいと思います。
 


次にご紹介する冬の日本の飲み物は「本葛湯(ほんくずゆ)」です。

「本葛湯(ほんくずゆ)と」は、葛(くず)の木の根を粉にしたものをお湯に溶かして作ります。

この葛の木の根のことを"葛根"(かっこん)と呼びます。

かっこん?

そうです。「風邪薬のひきはじめには葛根湯!」といって漢方薬の名前を聞いたことがあるかもしれません。あの漢方薬は、葛の木の根だったのです。

この"葛根"(かっこん)にも、様々な薬効成分が含まれています。

有名なところでは「ダイゼイン」。
この成分は、風邪のひきはじめに感じる寒気を和らげたり、熱を下げたりする効果があります。
さらに、喉の渇きを癒したり下痢などにも効果がある。

この葛根を使った「本葛湯(ほんくずゆ)」も、冬を快適に過ごすために昔から使われていた日本の知恵なのです。

今でも冬になるとスーパーなどで、小分けの袋に入った『葛湯』が売られているのを見かけます。

一方で、今市販されている葛湯は、材料名に『本葛粉』と表示されていても、葛100%のものは、ほとんどないようです。
そして葛の代わりにはジャガイモやサツマイモのでんぷんが使われています。

ジャガイモのでんぷんは、「片栗粉」という名前でおなじみです。
溶けやすく透度も高いので、素材を活かした綺麗なお菓子やお料理に重宝されます。

サツマイモのでんぷんは、別名「わらびもち粉」。
甘みが強いので砂糖の量が少しでも甘く感じられるのが特徴です。

どちらも、お湯に溶かすとトロミが出るので、葛湯と同じような口触りが楽しめます。

ただ、薬効成分はありませんので、葛の持つ効果を期待するなら、葛をを原料にしたものを選ぶといいですね。
インターネットで検索すれば、葛100%の「本葛湯」も簡単に手に入りますので、そいういうものを「ごほうび気分」で試してみても良いかも知れません。
 


冬を乗り切る日本の知恵 飲み物編。
最後にご紹介するのは「しょうが湯」です。

これは、すりおろした生姜をお湯に入れ砂糖を加えたもの。
陳皮や本葛湯と違って、今でも自分で作れる、とても身近な飲み物です。

更に良いことには、管理栄養士的に見て生姜に入っている成分はすばらしくGOODなのです。

生姜に入っている主な薬効成分は「ジンゲロール」と「ショウガオール」。

まず、「ジンゲロール」は、白血球の数を増やします。
白血球というのは、細菌・ウイルスなどをやっつける細胞です。

暖かくなったと思ったら寒くなる。
こんな時期には風邪をひきがちですが「ジンゲロール」は、白血球の数を増やすことで、風邪のウィルスを退治するお手伝いをしてくれます。

もうひとつの成分、「ショウガオール」も頼りになります。
「ショウガオール」には血管を拡張し、血流を良くするという機能があるからです。

血流が良くなると、体温があがります。
そして、体温が上がると、体の中の酵素が元気に働き始めます。

一時期、『酵素ダイエット』が流行ったので、「酵素」という言葉をご存じの方もいらっしゃると思いますが、あの酵素です。
酵素には3000以上の種類がありますが、この中に、「痛んだ細胞を修復する酵素」があります。

ショウガオールを取って体温が上がり、「痛んだ細胞を修復する酵素」が元気に活動しはじめると。
ウィルスにかかりかけいて、「もう、ダメかも。。。(涙)」という傷ついた状態になっていた細胞の傷が治っていきます。そうすることで、ウィルスを跳ね返すことができるのですね。

昔から、風邪のひき始めには、生姜をとるといいと言われることも多かったようですが、その背景にはこんな仕組みがあったのです。

今日ご紹介した中では、一番身近な素材でもある「生姜」。

元気にやせる研究所でも、寒い冬を快適に乗り切るための『生姜を使ったレシピ』をご紹介しています。なんといっても身近な材料なので、お安くご提供できるのがうれしいのです。

 
元気にやせる研究所 代表 管理栄養士 中本綾美

 
 
 
 
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